イタリア指圧連合(FIS:Federazione Italiana Shiatsu) 主催の大会に招かれて

去る5月3日から6日までの4日間にわたり、「増永の遺産」(イタリア語原題で「L'eredita di Masunagaエレディタ ディ マスナガ」)と題する指圧大会がペスカーラ市、モンテシルヴァーノのセレナマジェスティックホテルに於いてイタリア指圧連合の主催で開催されました。

イタリア指圧連合はイタリア全土にネットワークを持つ組織であり、その構成は指圧を教えている先生方、大小の指圧学校やサークルと学生たち、またそれらの学校のカリキュラムを終えて指圧を専門に治療に取入れながら実際に職業にしている人々、またヨガや気功、瞑想など広い意味での東洋医学の一部として指圧を活用している人々、等々、実に各種のレベルの人員からなっている。指圧師としての技量は様々のように思いますが、日本で生まれた指圧、その中でも医王会の創始者である故増永静人先生の経絡指圧の良さを確信し、また、西洋医学とは異なる東洋医学の奥深さを指圧を通して実感し、その深い意味を知ろうと真摯に取り組もうとしている姿には感動を覚えました。

特に今回の大会ではFISの会員の中からだけで四百数十名以上の参加申し込みがあり、イタリア国内ばかりでなく世界中の指圧を志す人々にとって正に範として慕われている故増永静人先生(1981年、享年56歳)の没後20周年の記念行事として、今改めて彼の遺した偉大な業績を讃え、夭逝された師を共に偲ぼうという重要な意味を持つものでありました。

この会議開催の一年ほど前から何度かこのイタリア指圧連合の役員や関係者の方々からこの大会の趣旨とそれに伴い医王会から増永夫人と過去に師の下で指圧を学び現在も彼の教えを実践している指圧師の出席を是非とも賜りたいとの要請を受けていた。 その要請を受けて、医王会から指圧師を2名(高濱嘉代子と吉野栄子)が派遣されました。


大会は5月3日午後3時から始まった。ダグラスFIS会長の開会宣言と挨拶とイタリアの日本文化協会会長のマリオ・スカリセ教授の挨拶があり、その後FISの役員であるアッティリオ氏、ジュゼッペ氏、その他の各地域ごとの責任者たちによるスピーチが続いた。

2日目、5月4日(土)日本人スピーカーの一番手は私ども医王会からの高濱嘉代子。現在ローマのイジアという学校で指圧を勉強しているアッティリア・グラセッティさんの通訳で9時半から12時半までの3時間が開始した。高濱は医王会で増永先生との思い出を一番多く持っている内の一人であり、先生との最初の出会いから含めて個人的なエピソードや先生の天才的な指圧に関しての自分の体験や彼から学んだことについて1時間くらい語った。
そして、先生から会得した無形の宝物をできる限り忠実に、また一人でも多くの指圧師に伝えていくことこそが使命だと信じていると彼女のスピーチを結んだ。
その後、実際の指圧のデモンストレーションでは、時間の制約もあったが、シルヴィアさんの助言もあって、伏臥位だけを見せた。吉野が伏臥位の初級編を一通りやって見せた後、高濱が同じ伏臥位で上級編の足の伸展法をやって見せた。増永指圧の中でも先生が晩年に開発されたこの伏臥位での足の運動法は、先程紹介したマリオさんの製作されたヴィデオの中に見ることができるし、先生の講習会に参加する機会のあった方々はご存知だが、医道の日本社の赤本として有名な「指圧」(増永静人著であり、「Zen Shiatsu」というタイトルで世界中に翻訳本が発行されている)という本には載っていない。続いて、その足の伸展法を参加者がペアになり、それぞれが練習した。シルヴィアさんも通訳を兼ねての指圧指導に協力してくれたが、私たちもあっちでもこっちでも熱心な学生たちに囲まれての指導に汗だくになって、与えられた3時間がアッという間に過ぎてしまいました。

  
マリオスカリオ氏教授ご夫妻とダグラス会長   講習会後参加者たちに囲まれて         指圧座位でのデモ